CLIP STUDIOで4色分解にチャレンジ!


イラストや漫画を描かれる方が最近よく利用されている

CLIP STUDIO

(この記事ではCLIP STUDIO EXを使用しています)


この記事を書いているスタッフも普段よく利用しています!
とっても便利ですよね。

レトロ印刷に印刷注文する時、主線・中の塗り・背景
などで版分けすることが多いかと思います。
フルカラーのようなデータにチャレンジしよう!
という方は少ないのでは…?

そこで、レトロ印刷の特性を活かして
『レトロな疑似4色フルカラーイラスト』にチェレンジしてみませんか?

『レトロな疑似4色フルカラー』
https://retroinsatsu-tane.blogspot.com/2015/08/blog-post_22.html
こちらの記事で紹介されている通り、Photoshopでの4色分解は
とっても簡単です。
ですが、
「CLIP STUDIOしか持ってない!でも4色分解してみたい!」
という方もひっそりいらっしゃるのでは?

実は出来るんです!!
(この記事を書いているスタッフがどうしてもやりたかった…)

まず元画像がこちら

データ上で塗ったものなのであまり
味はありませんよね














そしてこちらが完成した印刷物!

かなり味わいのある仕上がりになりましたね!









近付いて見てみると、
レトロ印刷の特徴のズレや混色が
とてもいい感じに出ています。


















では、データの作り方を説明致します!


元データの初期設定の仕方は
『CLIP STUDIOで注文してみよう!』
を参考にしてください



1)まず、フルカラーの画像を準備します

この時、CLIP STUDIO形式のデータではなく
画像形式(jpeg,ping,tiff...etc)の状態で開いて下さい。























2)カラープレビューを変更しましょう

①『表示』タグから『カラープロファイル』を選択し、
    ↓
②『プレビューの設定』を開いて下さい。




3)4色に分解しましょう

最初に『cyan』(寒色)の版を作っていきます!



このような画面になったら、

①『プレビューするプロファイル』を
【CMYK:Japan Color 2001 Coated】へ変更
     ↓
②『色調補正』にチェックを入れ、
     ↓
③色調補正の2項目目を『Cyan』に変更します




このような状態になっていることが確認出来たら、ここから『Cyan』以外の
色調を省いていきます。




①『Magenta』を選択
     ↓
②元のフルカラー画像からマゼンタの色を抜くために
  数値を0にします

































同様に『Yellow』の色も抜いていきます




cyan以外の色が抜けたら『OK』を押してください





そうするとこのような画面になります!




このままの設定では画面上で色が変わっているだけなので、
ここから更にモノクロデータにするための作業をしていきます!



4)カラーデータをモノクロデータに変換しましょう

(★↓)
『ファイル』タグの『画像を統合して書き出し』を選択し、
画像形式(jpeg,png...etc)を選択してください。
(今回は一番色の表現度が高く、データ容量が少なくなるjpegを選択しています)
     ↓
このような画面が出てきたらファイル名を記入し、
『OK』を押してください。
(★↑)





OKを押すとこの画面が出てくるので、

①表現色で『CMYK』を選択
     ↓
②『ICCプロファイルの埋め込み』にチェックを入れる
 (これはどの機器で開いても色の差が出ないようにするための項目です)
     ↓
③出力サイズの『元データからの拡縮率』をチェック
     ↓
④拡大縮小時の処理の『イラスト向き』をチェック
 (この時にラスタライズが「品質優先」になっていることを確認して下さい)
     ↓
⑤『OK』を押す!





ここまでの工程を済ませたら、次は新しいウィンドウで今保存した画像を開いて下さい

このような画面が出るかと思いますが、特に問題はありませんので『OK』を
押してください。


OKを押して開くことが出来たら、次はカラーになっている画像を
モノクロにしていきます。


先程画像保存した時(★)と同様にし、
この画面になったら、
①カラーの『表現色』を『グレースケール』へ変更
     ↓
②『OK』を押して保存




OKを押すとこのような画面が出てきますので、『OK』を押して保存完了です!




ここまでの工程を残り2色(Magenta、Yellow)も行っていきます。


クリスタでの4色分解はPhotoshopと違い、カラー画像→モノクロへ変換をするので、
どうしてもモノクロへ変換したときの濃度が落ちてしまいます。
ですので、各モノクロデータを乗算レイヤーを使って濃度を上げて調整するように
お願い致します!

ちなみに今回スタッフが作ったデータは、

Cyan    通常レイヤー1枚+乗算レイヤー(100%)1枚
Magenta  通常レイヤー1枚
Yellow   通常レイヤー1枚+乗算レイヤー(100%)9枚

で調整しております!



刷ったインクは、

Cyan    水
Magenta  蛍光ピンク
Yellow   黄

となっております!


混色具合が分からない場合は、
『試し刷り』
にて混色のご確認をお願い致します😊




皆様のデザインの幅を広げる手助けを出来ていれば幸いです!
是非参考にしてみてください!





ムラって何?

レトロ印刷の特徴のひとつ、「色ムラが出る」ですが、
“ムラ”って言われてもどんなふうになるのか、なかなか想像できないですよね。



半水性のインクなので、濃度の高いベタが広範囲にあると、
均一な濃度で印刷するのがとても難しくなります。
どうしてもインクの乗り方にばらつきが出て、
水の染みのような濃淡差が出てしまいます。



このように、同じ紙・インクでもデザインの形によって
ムラの出方はバラバラです。
個体差がでるので、同じロットの中でも
ムラの多い・少ないがあったり、

用紙やインクの組み合わせでも出方や程度が異なるので、
「これくらいの面積・濃度なら大丈夫!」と言い切ることが
出来ないのが難しいところ。


この「色ムラ」も、完全回避は難しいのですが、
「針跡」「枠ブレ」と同じく
濃度を下げることで軽減はできます。

濃度を下げれば、物理的にインク量が減るので、
下げれば下げるほどムラの発生率は下がります!



CLIP STUDIOで注文してみよう!


レトロ印刷JAMをご利用の方、
もしくはこれからご利用をお考えの方の中には、
普段CLIP STUDIOで作業されている方も多いかと思います。

イラストや漫画を制作する際にはとても便利ですよね。


JAMの入稿データはモノクロ原寸であれば画像ファイルでも印刷可能なので
もちろん、CLIP STUDIOで作成したデータもご入稿可能です!

しかしJAMのホームページには
現在CLIP STUDIO用のマニュアルはございません。
これではどうやってデータ作成&入稿をすれば良いのやら...


そこで今回は
CLIP STUDIO」入稿について解説していきます!
今回はポストカードサイズのイラストを作成しながら解説します。
※PC版「CLIP STUDIO PAINT PRO」を使用しています。










まずはじめに新規ファイルを作成・設定をしていきます。




(1)作品の用途
 「イラスト」用を選択してください。



(2)データサイズ
 仕上がりサイズに塗り足し(上下左右に+3mm)
 付けてくださいね。

 ※塗り足しについてはこちらをご参照ください
 (https://jam-p.com/insatsu/genko/photoshop.php)

 今回はポストカード(148×100mm)を作成したいので
 「154×106mm」にしています。
  このとき単位が「mm」になっているかを確認してください!



(3)解像度
 今回は600dpiを選択しています。
 300~350dpiのデータでも印刷可能です。
 (これ以上解像度が高くてもレトロ印刷では表現できません)
 上記いずれかの解像度であれば、
 グレースケール/モノクロ2諧調どちらの
 カラーモードでも基本的に問題ございません。
 


(4)カラーモード(基本表現色)
 基本表現色は「グレースケール」/「モノクロ2階調」
 どちらかを選択してください。
 今回はグレースケールで制作します。



さあこれで新規ファイルの設定は完了です。
どんどん描いていきましょう!







イラストが完成しました!


それでは入稿用にデータを書き出しましょう!
今回はpsdデータで入稿してみます。




(1)拡張子
 拡張子は以下のいずれかなら対応可能です。
 [ JPEG / PSD / TIF /  PDF / PNG ]

 今回は「.psd」でデータを書き出します。




(2)カラーモード(基本表現色)
 書き出し時の基本表現色は、
 ファイル作成時と同じものを選択してください。
 今回は新規ファイル作成時に「グレースケール」を選択したので、
 データの書き出しも「グレースケール」を選択します。

 
(3)出力サイズ
 基本的には「元データからの拡縮率=100%」
 であれば問題ございません。


(4)拡大縮小地の処理
 「イラスト向き」を選び、
 「ラスタライズ」「品質優先」をご選択ください。


(5)インク指示
 データ名に必ずインク名を入れてください。
 JAMのインク名はコチラのURLを参考にしてください。

 今回はにびいろのインクで印刷したいので
 データ名は「nyuukou_nibi」と付けました。


さあ、あとは
レトロ印刷JAMのホームページから入稿するだけです!



※※注意※※
【1】
入稿データを書き出すときは、
不要なレイヤーが残っていないか確認してくださいね。 

【2】
加工指示等をCLIP STUDIOのガイドで作成した場合、
JAMの環境では確認できませんのでご注意ください。
(見本画像内に実線・文字等での指示を書き込んでいただければOKです)
入稿時もしご心配であれば、
ご注文フォーム備考欄に「CLIP STUDIO作成データ」とご記入ください。


刷り上がったものがこちらになります。




紙に印刷すると、
味わいが出たような気がします。


せっかくなので2色刷りにも挑戦してみました!
2色目はスカイで刷ります。
原稿をインク別に用意して…























印刷するとこんな感じです!






いかがでしたでしょうか。
参考になれば幸いです!
皆様のご入稿お待ちしております!


基本的な原稿作成についてはこちらも参考にしてください。
(https://jam-p.com/insatsu/genko/basics.php)




































新しい用紙『コニーラップ』が登場!

レトロ印刷に新しい用紙『コニーラップ』が限定紙 として仲間入りしました
🙌
混色するレトロ印刷のインクが紙とも混色して仕上がりが想像できない
⁉️
用紙カラーラインは全6種類。
紙とインクのいろんな組み合わせで遊んでみよう!

※厚さ:75.5 g/㎡ ツヤプリ不可
 【対応サイズ】A3 A4 A5 A6 J1 J3 J3たてなが J5 J7 J8

※限定紙のため、カラーチャート(紙とインクの見本帖)への追加やサンプル募集(配布)は行っておりません。
 そのためインク発色につきましては事前に試し印刷いろいろチャートのご利用をおすすめしております。

ですがやっぱり気になりますよね!
なので全インクを印刷した見本を画像でUPいたします!

スキャン画像のため、実際の色味とは若干異なります。
また、モニターによっても差がでるかと思いますので、
参考程度にご覧くださいね~










枠のデザインにご注意!

四辺を囲む「枠」のデザインをJAMに入稿した時、
「ズレて片寄ったような仕上がりになります!」と連絡がきた方、
けっこういらっしゃるのではないでしょうか。


レトロ印刷の特徴に「ズレ」があります。
和紙のような薄く柔らかい版を使用しているため、
垂直・平行が正確ではなく、
また、刷っているうちに版自体が伸びてしまい
予測できないランダムな「ズレ」が生じてしまうんです。
























詳しくはこちらのエントリーをどうぞ

さらに、ズレのあるトンボを目視で確認しながら切るため、
JAMでは断裁もすべて手作業です。
なので、トンボの位置で正確に切ることが、とても困難なんです・・・
(もちろん重々注意して作業していますよ!)

枠があったり、四辺に均等な余白のあるデザインだと、
ちょっとの「ズレ」でもとっても目立ちます。

こちらは3mmの余白のある枠デザイン。
JAMの印刷は2~3mmずれることもあるので、
最悪枠自体が切れてなくなってしまうことも・・・

ストライプ市松模様など、
均一な柄もズレがわかりやすいかも。















それでも枠のデザインにしたい!というときは、
四辺の余白を多めにとると、比較的ズレが目立ちません。



四辺の余白を3mmから5mmにしてみました。













ぺら紙印刷でも同様に、枠のデザインはズレがわかりやすくなります。















フチあり規格はデフォルトで5mm幅の余白が四辺につきますので、
印字面全面にベタなどを敷くデザインは、白い枠デザインのようになります。
この枠も、完璧に均一な幅にはなりません。













この場合も、余白をちょっと太めにデザインするといいですね。



緻密なデザインが苦手なレトロ印刷ですが、
ちょっとの工夫でズレも目立ちにくくなるので、
参考にしてみてくださいね。